はじめに:人間関係を壊す「否定」の力
エグゼクティブコーチとして500人以上の経営者やビジネスリーダーにコーチングを行ってきた林健太郎氏は、良好な人間関係を築く鍵として「否定しない習慣」の重要性を説いています。
本書では、なぜ「否定」が人間関係を壊すのか、そしてどうすればそれを避けられるのかを具体的に解説しています。
否定しないことが、なぜ褒めること以上に大切なのか?
人間関係を築く上で最も重要なのは、「褒めること」や「肯定すること」ではなく、「否定しないこと」。
どれだけ好印象でも、たった一つの否定的な言動で人間関係は一気に壊れてしまう危険があります。
無意識の否定が関係を壊す
・正論をぶつける
・相手の話を遮る
・スマホを見ながら話す
・目を合わせない
こうした行動は、本人にそのつもりがなくても、相手に「否定された」と感じさせてしまいます。
否定してしまいやすい3つのパターン
1. 正しいことを言っていると思い込んでいる時
「これは事実だ」として正論を押し付けるのは、相手にとってはただの絶望に。雑談の中で突然統計を出しても、求められていなければただの否定です。
2. 自分の考えが正しいと信じている時
「その考えは間違ってる」と言いたくなるときほど要注意。人それぞれ価値観や正解が異なり、正しさを押し付けることは対話を破壊します。
3. 相手に過剰な期待をしている時
「これくらいやって当然」と思うことが、否定的な発言につながります。相手はその人なりにベストを尽くしている可能性を考慮しましょう。
否定しないための具体的なコミュニケーション法
「〜かもしれない」で視野を広げる
お笑い芸人ぺこぱのように、自分の考えを一歩引いて見てみましょう。「相手の意見が正しいかもしれない」という姿勢が、否定を防ぎます。
「そうなんですね」「なるほど」でまずは承認
相手が最も求めているのは「理解されること」。たとえ意見が違っても、まずは「受け止める」姿勢が大切です。
否定してしまった時はリカバリーする
「否定してるように聞こえたらごめんね」と一言添えるだけで、関係修復の糸口が生まれます。
否定しない“態度”を意識する
言葉だけでなく、態度も重要。笑顔で、適度なアイコンタクトをしながら、相手に集中しましょう。
否定しない+αのテクニック:「さすが」で自然に褒める
「さすが」は魔法の三文字。的確で押し付けがましくなく、自然に相手を承認できる万能な褒め言葉です。否定しない関係を土台に、この一言で関係はさらに深まります。
まとめ:否定しないことが、実利にもつながる
・否定をしないことが人間関係の最優先事項
・否定の原因は「自分が正しい」という思い込み
・「否定しない習慣」は、ビジネスでもプライベートでも成果を生む
林氏は、人から好かれたい、協力してもらいたいと思うなら、「否定しないこと」が最大の戦略になると強調しています。人間関係の本質を知るうえで、非常に実践的な一冊です。
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